動画コンテンツの波に怯えている弱小ブロガーのmemoraです。
今やYouTubeを知らない日本人っていないんじゃないか?と思うくらい有名になりましたよね。ありとあらゆる情報が文章メディアから、動画メディアに移り変わっているなぁと感じています。
専業ユーチューバーなるものも現れ、ネットニュースでもユーチューバー関連のものが毎日のように取り上げられているのは象徴的です。
有名ブロガー関連のネットニュースなんてほとんど見ませんからね。
HIKAKINやはじめしゃちょーなどは年間で推定10億円以上の収入があるとも言われ、中高生がユーチューバーを夢見ているそうです。
さて、そんなユーチューバーですが気になるのは10年後はどうなっているのか?動画ブームは終わらないのか?将来性はあるのか?ということだと思います。
歴史は繰り返します。この記事では、ネットが登場してから爆発的に流行ったメディアであるブログを参考に、10年後のユーチューバーの未来を様々な視点から大胆予測してみようと思います。
ふざけずに現実的に考えています。
予測1 人気ユーチューバーと底辺ユーチューバーの溝が埋まる
現在のユーチューバーの人気は二極化していると言われています。一度ファンを掴んだトップユーチューバーたちは、「やってみた」系の動画だけでも高再生数を維持しています。
今後もしばらくはこの状況が続くものと思いますが、いずれだんだんとトップと底辺の間のミドルゾーン層が厚くなるのではないかと予測します。
なぜなら、ブログの歴史がそうだからです。
昔は記事数や被リンク(他所のブログからどれだけリンクが貼られているか)で検索エンジンからの評価が決まっていました。検索エンジンの評価が高いブログは高いアクセス数を維持し、評価が低いブログは低いアクセス数にしかなりませんでした。
ここに情報の質はほとんど考慮されていませんでした。
今のユーチューバーは「再生数が再生数を呼ぶ」「チャンネル登録者がチャンネル登録者を呼ぶ」のように、人気者がさらに人気者になる構造が出来上がっています。
落ちぶれたユーチューバーでも、底辺ユーチューバーに比べれば雲の上の再生数ですよ。
「動画の内容」が適切に評価されるようになる
YouTubeの検索機能が改善される
この原因の1つは、YouTubeの検索機能が貧弱すぎるからです。実は、今のYouTubeの検索機能はタイトルと動画概要欄・のテキストからしか探せないと言われています。
十数年の年月をかけてブログは記事の内容まで評価されるようになりましたが、YouTubeは肝心の動画内容が評価されていないのです。
YouTubeはテキスト以外にもグッド・バッドボタンの評価数と評価割合も検索順位の参考にしているそうですが、一度炎上すると動画の質と関係なくバッド評価がつきまくる現状では、評価の役割を担っているとは到底言えません。
Googleは動画から音声をテキスト化して評価しようと日々努力しています。AIの発達により、急速に評価精度は上がっています。
将来的に動画の内容が評価され、適切な検索結果を出せるようになれば、もっと検索機能が使われるようになり、トップユーチューバー以外にも日の目が当たるようになるかもしれません。
YouTubeのおすすめ動画機能が改善される
2つ目の原因も、YouTubeの機能の問題です。現状のおすすめ動画機能には問題があります。
おすすめ動画に表示される条件はいまいちわかりませんが、年齢・性別・住所のユーザー層や過去に見た動画の履歴を参考にしていると思われます。
このおすすめ動画も、競争が激しいジャンルではトップユーチューバーばかりが表示されてしまいます。必ずしもトップユーチューバーの動画が素晴らしいわけではありませんし、この辺もやはり動画内容を適切に評価できるようになれば変わっていくのかなと思います。
予想2 専門系(特化)チャンネルが強くなる
今のYouTubeでは「何でもあり」のジャンルごちゃ混ぜチャンネルが全盛になっています。
とにかく目立って再生数を取れば勝ちみたいな風潮があります。
ですが、これもブログの歴史を知っていれば通過点に過ぎないことがわかります。
広告主は専門チャンネルに投資したい
前述したように、YouTubeはいずれ動画の内容を適切に評価できるようになるはずです。
きちんと評価ができるようになったら、YouTubeはGoogleが目指す姿に変化していくはず。
Googleは、「有益な情報」「オリジナリティのある情報」「信憑性の高い情報」を重要視しています。
「何でもあり」のバラエティユーチューバーが税金について話すのと、税理士の先生が税金について話すのとでは、信憑性が全然違いますよね?オリジナリティがあり有益である可能性も高いです。
Googleは広告主から広告収入を得ています。
広告主(企業)は、買ってくれる可能性が高い人に広告を見てほしいと思っています。
例えば、税金の本や会計ソフトを売りたいとして、「税理士が発信する税金専門チャンネル」「やってみた系チャンネル」のどちらに投資したいですか?ということです。
目に見えて広告の単価が変わると思います。
もうブログではとっくの昔にこうなっています。
検索順位上昇・おすすめに載りやすくなる
Googleはごちゃ混ぜチャンネルよりも、ジャンルを専門的に扱っていた方が権威があると判断していくようになるはずです。
それにともなう検索順位の上昇や、おすすめに載る確率も高まっていくのではないでしょうか。
ただし、おすすめに関してはバラエティー系の動画を見ている人にはバラエティー系の動画がおすすめされ続けると思います。
ごちゃ混ぜチャンネルはなくならない
専門チャンネルが強くなると書きましたが、今までのように稼げなくなるだけのことです。
年間で10億円は無理かもしれませんが、1億円なら稼げる……という風に変化するということです。
動画の場合はバラエティー系も需要がありますし、ジャンル関係ない広告主や、余裕のある広告主なら関係なくガンガン広告を打っていくでしょう。
テレビは特定の視聴者層に向けて広告を打てませんが、圧倒的な視聴者数があるため成り立っています。
……と予想していますが、収益性が本格的に悪くなってくると、トップユーチューバーたちがジャンルごとにチャンネルを乱立するようになるかもしれません。
予測3 金融系・美容系・健康系動画を作れなくなる
ブログ界では、2017年12月の健康アップデートで激震が走りました。
「健康ジャンル」の検索結果で軒並みGoogle(Yahoo!JAPANも含む)の検索結果が下落したのです。
どんなに有益な情報を発信していたとしても、企業や医師などの権威のある情報源以外では検索結果で上位表示されなくなってしまいました。そのせいで、健康サプリなどの商材をメインに扱っていたアフィリエイターの収益は打撃を受けました。
YouTubeは、Google社が運営しています。
お金・美容・健康ジャンルの動画はさほど再生数が伸びなくても企業タイアップがあります。
ですが、広告がつかなくなったり、おすすめ動画に表示されにくくなると、収益は下がりますよね。
収益が頭打ちになれば、違うジャンルを開拓し始めることでしょう。
アニメ・漫画系も危ない
アニメ・漫画系動画も別の意味で危ないです。
どういうことかというと、著作権の問題です。著作権がらみの規制は年々厳しくなっています。
サムネイルに商用画像を使うだけでも広告がつかなくなったり、動画を削除されてしまうようになれば、再生されにくくなります。
キャラクター画像を使えなくなると視聴者としても「退屈な動画」と思ってしまうようになると思います。
漫画の1コマを映すだけでもダメになってしまうと、もうオワコンです。
このジャンルは再生されないとなれば、ユーチューバーは撤退するしかありません。
動画を作るのもタダではないのです。漫画を紹介するなら漫画を買わなければなりませんし、動画編集には時間と、機材が必要です。
最低限の費用も回収できないのなら辞めて当然なのです。
予測4 トップユーチューバーがコンサルティングするようになる
近年の有名ブロガーやブログアフィリエイターは、ブログと並行してみんなコンサル・セミナー・ネットサロンを始めるようになりました。
ブログ単体での収益が頭打ちになってきたのが原因です。Googleの度重なるアップデートにより、収入の波が激しくなるのを嫌った側面もあります。
まだまだYouTubeは視聴者の流入が増え続けていますが、10年後ともなれば成長はかなり鈍化している可能性が高いです。
チャンネル登録者数が増えても再生数が頭打ちになる現象は既に起きています。なので、ユーチューバーがコンサル業を始めるのはかなり現実的であると言えます。
コンサルの前に海外向け動画を作り始めるかも?
再生数が頭打ちになるのは、日本国内に限っての話です。
「日本語」で発信する以上は日本語を理解できる視聴者しか動画を見れません。
今後、ユーチューバーは本気で英語字幕をつけたり、海外ウケが良い動画を量産し始めるかもしれません。
はじめしゃちょーのグミを食べる動画がインドでバズったおかげで、1億2000万回再生を記録しています。
音楽以外で1億回以上再生されるのは、異例中の異例です。
ヒカル氏の祭りくじ動画でも、3600万回再生に留まっています。テレビで大きな話題になるほどバズったとしても、これが限界なのです。
英語で話すのは現実的ではありませんが、字幕・動画の種類を最適化するくらいはしてもおかしくありません。
資産コンテンツに注力する可能性も
海外からの流入を意識する以外にも、永遠に再生され続けるコンテンツ作りに注力するかもしれません。
YouTubeの動画は公開直後が一番アクセスが多く、数年経つとほとんど再生されなくなってしまいます。数時間かけて頑張って動画を作っても、ほとんど資産にはならないのです。
ブログでもストック式とフロー式がありますが、今の流行りはストック式です。何年たっても価値が薄れない情報や、記事のリライトが楽な記事を好むようになっています。
ちなみにこの記事「ユーチューバーの10年後の未来」は、ストック式とフロー式の中間です。十年以上のロングスパンで読まれることはありませんが、1年やそこらでゴミになる記事ではありません。
では、具体的にどんなコンテンツが資産になるのでしょうか。
オリジナル楽曲
最近のユーチューバーはオリジナル曲を発表する方も多くなりました。
「好きだから」という単純な理由ではなく、収益の安定性・永続性を求めるならオリジナルの音楽は強いです。
音楽活動をしていると固定ファンがつきやすくなるのと同時に、何度も繰り返し再生されることが多いです。
曲の最後に広告が1本でもあれば、地味に資産となって積み重なっていきます。
ただし、活動を休止すると緩やかに再生数は下がり続けるでしょう。
オリジナルドラマ
まだオリジナルドラマを本気で作っているユーチューバーは少ないです。
ですが、高性能なカメラが安価で手に入るようになり、ドラマや映画を家庭用PCでも数時間でエンコードできるようになった現在では、十分現実的です。
将来的にはPCの処理能力はさらに上がっていくでしょうから、あとは魅力的な演技・脚本が用意できれば成功の可能性はあります。
音楽に比べて費用・技術・時間全ての面で敷居が高いですが、成功すれば永遠に再生されるコンテンツなので、安定収入に繋がります。
料理
料理は永遠に再生され続けるジャンルです。
特に日本食は海外からの需要もあるので、上手くハマればかなり強力なコンテンツになるはずです。既に料理系動画は多くのユーチューバーが目を付けていますが、バリエーションは無限大なので、いくらでも量産可能です。
料理と動画の組み合わせはかなり相性が良いですし、費用もそれほどかからないので今後有名ユーチューバーがどんどん料理をやり始めるかもしれません
食べる系
食べる系の中でも大食いは流行り廃りがないので、資産になりやすいです。
一時的に流行った食べ物を扱っていると厳しいと思いますが、それでも「大食い」がテーマになっていれば活路はあります。
年々厳しくなるYouTubeの規約にも対応できているジャンルなので、消される心配がないのも注目すべきメリットです。
これも既に多くのユーチューバーやっていますし、大食いに関しては才能も必要なので、これをメインにするユーチューバーは爆発的には増えないかもしれません。
食べすぎるのは健康上の問題もありますしね。
教育
各種資格試験の勉強を教えたり、プログラミングを教えたり、学生向けに勉強を教えたり……とバリエーションは無限大です。
注意すべきなのは、動画で扱った内容に変更があると撮りなおさなければいけません。
動画はブログのように後から自然に追記するのは無理です。新たに撮りなおすか、再編集してアップロードするしかありません。
また、教えるには深い知識が必要なので、雑多なジャンルを扱っているユーチューバーには敷居が高め。
コンサル業と似ていますが、初心者ユーチューバー向けにトップユーチューバーが動画を作り始めるなら可能性はあるかもしれません。
……というか、この手の動画の概要欄でコンサル・セミナー・ネットサロンの募集をかける可能性が高いです。
予測5 YouTubeがオワコンになって廃業する
最後になりましたが、もちろん10年後にYouTubeが残っている保証はありません。
Googleが10年で倒産するとはなかなか想像できませんが、可能性がゼロとは言い切れません。Googleの倒産以外でも日本でYouTubeが使えなくなる可能性もあるのです。
例えば、中国ではGoogleサービスが使われていません。国内のサービスを守るために、外資を追い出しました。
日米の関係がもし悪くなるようなことがあれば、日本でYouTubeが使えなくなる可能性があります。
その場合はニコニコ動画などが代替サービスを提供する可能性が非常に高いですが、ユーチューバーとしては廃業です。
ブログの歴史を見ても、アメブロやライブドアブログなどのサブドメインを使って活動していたブロガーはワードプレイスというCMSに移行するようになりました。
サブドメインのブログでは、Google検索で上位表示することがほぼ無理になったからです。
ですが、アメブロブロガーとしては廃業したけど、別のプラットフォームでは現役という方もいらっしゃるので、動画クリエイターとして廃業するとは考えにくいです。
まとめ
こんなに長い記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
ブロガーもユーチューバーもGoogleの機嫌次第でどうにでも変わってしまう不安定な職業です。
10年後のユーチューバーの将来を予想するのはなかなか難しい。とんでも予想をするのは簡単ですが、それではせっかく記事を読んでくれている読者に申し訳ないという思いがあります。
おそらく予想1~5に示した通り、YouTubeはブログと同じ道を辿っていくのだと思います。
ユーチューバー同士の収入・再生数の溝がある程度埋まり、専門チャンネルが強くなり、YMYLと呼ばれるお金・健康ジャンルが淘汰され、コンサルを始める――。
最後のオワコンの部分はわかりません。ブログにおいても、Google全盛は続いているので、誰にも分らないのです。ただし、聖者必衰の原則に従えば、いずれGoogle、YouTubeがオワコンになるときも訪れるはずです。
あくまでもこの記事はただの予測です。根拠はあるにせよ当たる保証はありません。
クリエイターの方には将来を真剣に考えていただき、視聴者の方には温かく見守ってもらえればと思います。
以上です!